こんにちは、女子大生マーケティング部の松本です。
「女子大生の、イベントレポート。」では、イベントに参加して感じたことなどをまとめています。100年企業フェスティバルに参加し、終了後に各企業にインタビューに伺いました。
★船橋屋インタビュー
船橋屋さんは、江戸時代、文化二年(1805年)から続く創業214年の老舗和菓子店です。
8代目の渡辺雅司社長にお話を伺い,200年以上にわたって繁栄している理由を探りました。
Q&A 船橋屋社長へのインタビュー
Q:くず餅の乳酸菌を使ったサプリメントを販売しているが、そのような新しい商品が生まれる理由は?
A:マーケティングを重視しているから。お客さんにどんな幸せを提供できるかを考えている。くず餅を食べて喜んでくれるお客さんがいる一方、くず餅を食べるとお腹の調子が良くなるという声が多く聞かれた。そこから発見されたのが乳酸菌の力だ。このサプリメントは、人々の健康で生きたいという強い欲求を満たす。需要、原価、利益で考えたらできない。
Q:新しいことに挑戦し続けるのはなぜ?
A:老舗として生き残る秘訣だから。長年続いている会社には必ず何か理由がある。会社は高速で回る駒に例えられると言う。会社の理念やビジョンが駒の軸、組織力が、駒が回る遠心力である。一見すると全く動かずに安定しているように見えるが、実は高速で走り続けているからこそ安定している。
Q:社長の考えるリーダー像とは?
A:「ONE PIECE」のルフィのような存在。昔のヒーローといえば仮面ライダー、ウルトラマン等であり、彼らは孤独で1人で戦う存在。それがリーダー像だった。しかし、そんな孤独で苦しいリーダーなど不要だと言う。それよりも、今はみんなでやろうという時代。リーダーは一番偉い人ではなく、ただ面白いね、良いねと言ってくれる存在。同じ思いを持って船に乗ってくれて、社長よりも会社が好きだと言ってくれる社員(仲間)を何人集められるかが大切。
Q:「ONE PIECE」のような会社を作ろうと思ったきっかけは?
A:15年前の1人のコンサルとの出会い。当時、銀行員から転職したばかりで専務としてバリバリ働いていた渡辺社長。自身のやり方に迷いはなく自信を持っていたが、コンサルに「社員のことをヤツら、アイツらと呼んでいるうちは会社は良くならない。」と言われてハッとした。そこから怒涛の改革が始まった。
Q:社内改革はどのようにした?
A:人望のある人に役職を与える仕組みを作った。誰がリーダーにふさわしいかという無記名の総選挙で約70/150票を獲得した社員を33歳の若さで役職を持たない一社員から執行役員に昇格させた。さらに得票数を一位から最下位まで張り出して全員が見えるようにした。こうすることで自分のマネジメントを見直すきっかけを作り、変わらざるを得ない状況を作り上げた。人望がないと昇格出来ない制度、そうすると上司は従いたいと思える人だけになる。全ては社員の働きやすさのためだという。
Q:採用の特徴は?
A:学生に、あなたにとっての幸せとは何かを問い続ける。よくある、会社の自慢話なんかは一切しない。学生自身がこれからどんな人生を送りたいか、その為に会社はどのように関わってくるのかを伝える。採用もマーケティングの一つと捉えている。重要なことは会社のアピールをすることではなく、学生と会社側の意識の乖離をいかに縮められるかだ。
お客様へ幸せを提供し続けるためのマーケティングと積極的な挑戦、全社員が働きやすい企業経営が、時代を超えて愛される船橋屋さんの秘訣であることが分かりました。